「ちょっと遅くなったけど、今日のホームルームは学級委員を決めるぞ~。
男女一名ずつ。
立候補はいないか~?」


ホームルームの時間……一瞬で静まり返る教室。

立候補者、ゼロ!


「じゃあ推薦は?」


先生がそう言うと、一人の女の子がスッと手を挙げた。


「矢崎さんがいいと思いまーす」


え?音ちゃん?

音ちゃんの方を見ると、驚いたように目を大きく見開いていた。


「あ、私も賛成!」

「俺も」

「あたしもー」


賛成だという声がたくさん聞こえてきて、音ちゃんは慌てたように立ち上がった。


「ちょ、ちょっと待って!
無理!絶対無理!」


首を大きく横に振りながらそう訴える音ちゃん。

音ちゃんはやりたくないみたい。