「……沢木さ、湊先輩のこと……吹っ切れた?」 「……吹っ切れたかどうかは分からないけど……自分なりにけじめはつけたよ」 そう笑って言う沢木。 きっといい終わりかたができたんだろう。 「杉山君は……?」 「完全に……ってわけにはいかないけど、未練はない。 ……家族みたいだって言われたし」 「家族?」 「マジでずっと一緒にいたからさ……音羽にとって俺は家族なんだって。 言われてみればそうかもなって俺も思ったし」 そっか、と沢木が小さな声で言った。