音羽の隣にいるべき人はもう俺じゃない。
でも、傍にはいるから。
辛かったり悲しいことがあったら、いつでも慰めてやるから。
弱音を吐きたくなったり、不満があったらいつでも俺が聞いてやる。
そして何度でも言ってやるよ。
お前は笑顔が一番だ……って。
「あたし、これでみんなと仲直りできた……」
「よかったな」
「じゃあお祝いにケーキバイキング行こ!」
「却下」
「何で!?
前みたいな関係に戻りたいって言ったじゃん!
ずっと一緒にいたいって!」
「それとこれとはまた別」
ぷくっと膨れる音羽を見て笑う。
これだよ、これ。
俺が戻りたかったのは。
「じゃあくーちゃんも誘って」
「空と二人で行けば?」
「だってくーちゃん嫌がるんだもん、海斗がいないと」
「俺、どんだけ愛されてんだよ」
いつもみたいにくだらない話をして。
こんな平凡な毎日が一番楽しくて……幸せなんだ。

