「こんなこと言うの、自分勝手かもしれないけど……あたしはずっと海斗といたい。
また一緒に笑い合いたいし……くだらない話だってしたいし……」
「音羽……」
「家族みたいだから……。
海斗は……あたしの家族だから……」
本当に……ずっとずっと一緒にいた。
一緒に遊んで、一緒に怒られて……。
『家族』……。
本当にその通りだ……。
家族のようにいつも一緒にいた……。
「……俺、このままぎこちなくなるのとか……嫌だから」
「え……?」
「前みたいにバカみたいな話をしたっていい。
空とのくだらないコントを見せられたっていい。
……俺は、音羽が笑ってくれるなら……また前みたいな関係に戻れるなら……何でもいい」
「っ……海斗……」
音羽の目からポロポロ涙がこぼれ落ちてくる……。
俺はそんな音羽の頭を優しく撫でる……。
小さい頃から変わらない……俺の役目。
「……ホント、泣き虫だよな」
「海斗だって泣いてるじゃんっ……」
音羽に言われて目元を触ると……濡れていた。
いつの間に……。
「海斗が泣いたら……あたしが慰めてあげる」
「できんのかよ、お前に」
「できる!
海斗のことなら……何でも分かるから」
俺の気持ちには気づかなかったクセに。
っていうか、俺普段は泣かねぇし。
そんなことを心の中で思いながらも、嬉しかった。

