「……さっき、結城先輩と話してきたの」

「え……?」

「……ちゃんと心からの気持ち、伝えられたよ」


私は久しぶりに音ちゃんに笑顔を見せた。

本当に……久しぶりに。


「告白したわけじゃないけど……でも、私はそれでいいと思ってる。
先輩と話せて、スッキリしたし……。
これで……ちゃんと音ちゃんと向き合える」

「綾乃……」

「音ちゃんには幸せになってほしい」


しっかりと音ちゃんの目を見て……そう言った。

すでに涙でいっぱいだった音ちゃんの目に、更に涙が溢れてくる……。


「私ね……あのとき言えなかったけど……音ちゃんに本当に感謝してる」


音ちゃんがいなかったら……今の私はなかった。

きっと、クラスで友達もいなくてつまらない学校生活を送ってた……。


「始業式の日……音ちゃんが話しかけてくれて本当に嬉しかった……。
音ちゃんと友達になれてよかった……。
たくさんのことが経験できて……本当によかった」


伝えたいことはいっぱいある。

でも……涙が邪魔をしてなかなか言えない。


だから……最後に一言。

私の精一杯の気持ちを……



「音ちゃんのこと……大好きだよ!」