「あ、あの、杉山君……」 気持ちは嬉しいけど……。 私がそう言いかけた瞬間…… 「………綾乃?」 聞きなれた……可愛らしい声。 その声に反応したのは私だけじゃなくて……結城先輩も杉山君も一斉に声の主の方を見た。 「音……ちゃん……」 「保健室に行ったのに……いないんだもん……」 音ちゃんは私達の顔を一人ずつ見てから、もう一度私の顔を見た。 「何……やってるの?」 「あ、あのね、音ちゃん……」 どうして……? どうしてそんなに悲しそうな目で私を見るの……? 音ちゃん……??