いつもあたしのドリンクを美味しそうに飲んでくれる先輩。


「ん、復活!」


そして、その時にあたしだけに見せてくれる笑顔。

それだけでもう十分。


「先輩、最近気合い入ってますね」

「当たり前。
もう一年生が入ってくるからな。
どうせなら部長、カッコイイ!って思われたいじゃん?」


結城湊先輩。
―ユウキ ミナト―

バスケ部の部長。

優しくてしっかりしててバスケが上手な先輩。


「もう十分カッコイイのに……」


先輩が戻っていった後、ポツリと呟いた。

これ以上カッコよくなられたら……困る。


「言ってやればいいじゃん。
今でも十分カッコイイですよって」

「く、くーちゃん!?」


聞いてたのっ……!?