「あー……遊園地とか? それとも水族館? あ、映画とかは?」 とりあえず思いついたところを口に出していく。 ……だけど、音羽の反応はない。 「音羽?どうした?」 「……先輩」 「ん?」 音羽は顔を上げて俺の顔を見た。 音羽の顔は……寂しげで……何となく切なそうだった。 「……音羽?」 「あ……いや、何でもないです! 行きたいところですよね? どうしよっかな~、たくさんありすぎて……ん~」 明らかに無理に笑顔を作っている音羽。 何かあった……? 聞きたいけど聞けない……。