……何でだろ。
別に先輩に前に付き合ってた人がいてもおかしくないのに……胸がギュッと締め付けられる。
「だから……少しでも結城君にこっちを見てもらいたくて……浮気したの」
浮気……?
「……ごめんな。
この前、最低だなんて言ったりして……。
本当に最低なのは……俺なのにな」
「ううん、いいの。
あたしも最低なこと言っちゃったし……」
……あたしはそっと壁から背中を離すと、音を立てないようにしてその場から離れた。
盗み聞きはいけない……そんなのは口実で、本当はもうこれ以上聞いてられなかった。
あたしの知らない先輩の姿……。
あの人は……元カノ?
だよね……絶対。
たった……たった一年。
それだけの差で……いつも先輩を遠くに感じてた。
でも今日は……いつも以上に遠く感じた。

