「カイルはどうした」
そう聞くと、パティアの目から涙がぶわっと溢れる。
「わかん、ない。お腹、刺されて、倒れた」
「そうか……。お前はカイルの所に行って、治療をするんだ。その後はカイルに従え。
……出来るか?」
パティアは力強く頷いた。
「よし、行ってこい」
「あ〜〜〜っ!!!?
折角手に入れた人間兵器がっ!?何てことしてくれんだよ!計画がパァじゃんか!」
そいつは地団駄を踏んで僕を罵倒する。ふん、見苦しい。そして……。
「あいつを人間兵器と呼ぶなっ!!」
僕はもう一度斬りかかった。
「ぎ、ぎゃああぁぁぁっ!!!!」
相手は背を向けて逃げ出した。愚かな。その背を容赦なく斬りつける。背中の傷は戦士の恥だ。こいつは知らないが。
哀れな男だな……。
「ティス、お嬢様は」
「バッチリ。傷1つ残してない。後はお嬢様が目覚めるのを待つだけだ」
「そうか……」
良かった。