「……あーぁ」
火炎弾は消えた。その直後聞こえた残念そうな声。
―――その声は、背後からだった。
バッと振り向いた瞬間、グジュッという嫌な音がした。今のは、肉が貫かれる音。
「……かはっ……!!」
口から血を吐いた。鋭い痛みが襲ってくる。私はお腹を刃物で貫かれていた。
刃物が引き抜かれ、血がダラダラと流れる。私は力なくその場に崩れ落ちた。意識が遠退いていく。
「君、かなり邪魔だよ、ものすごく邪魔。世界を壊すんだから、禍根は今のうちにちゃあんと排除しとかないとね」
あ、私殺される。霞んでいく意識の中で、ぼんやりと考えていた。
リンくんやフェンリルさんは、どうしてるかな。ルーシェさんは逃げられたのかな。
カイルは無事でいるかな。ティスは大丈夫だよね。シアンも大丈夫。
あぁ、意外にも恐怖はないものなんだ。それよりも淋しいよ、哀しいよ、切ないよ。
ヒュンと、何かが空を切る音がする。終わりかも。
私の意識は、そこで途切れた。


