広場を出た途端、前方から敵が複数やって来た。全く、面倒な。僕は少女を下ろして、右手を空にかざした。
敵は油断仕切った様子でこちらに走って来た。馬鹿なのか、あいつらは。
「黒姫っ!!」
刹那、僕の右手に刀が現れた。刀身は黒いオーラで包まれ、本来の色は隠されている。
柄の先には紐が結ばれ、更にその先に2個の鈴が付いている。普段は音の鳴ることのない鈴が。
「はあぁぁっ!!」
僕は敵を斬り込む。なるべく子供達の刺激にならないよう、鎧を貫いて胸をひと突きした。
あまり苦しまないよう心臓を直撃したから、即死だろう。他の者にも同じように殺した。
刀をひと振りすれば、刀は跡形もなく消え去った。不思議な刀だ。
僕は子供達の元へ戻る。
「お兄ちゃん強いんだね!」
「あぁ、だから安心しろ。行くぞ」
少女を再び抱え直した直後、見知った声が僕の名前を呼んだ。見れば、広場を横切って駆けてくる1人の少女。
真っ白なワンピースは、この戦場で異様に目立ち、そして綺麗に輝いていた。
……お嬢様……。
僕はほっと胸を撫で下ろした。良かった、見たところ怪我もなさそうだ。
僕はそっと息を吐いて、お嬢様が着くのを待っていた―――。


