私はパティアちゃんを下ろして、カイルの傍に膝をつく。
部分部分で治療した方が消費は少ないけど、この状況でそんなこと言ってられない。カイル全体を対象に治療!
呪文を唱えれば、淡いオリーブ色の光がカイルを包んだ。30秒もすれば体力だって回復する。
「……!
お前、天才だな。こんな短時間で全回復なんて芸当……」
「話は後だよ。もう私は長時間空を飛べない。カイルはパティアちゃんと一緒に逃げて」
「は?お前はどうすんだよっ」
「私はここに残って戦うよ。大丈夫、長く飛べる程の魔力がないなんて、大したことじゃないもの。
シアンやティスと合流して、民間人を誘導しなきゃ」
これ以上の犠牲を出さないためにも。誰かが身体を張らなきゃいけない。まだ元気な私がやらなきゃ誰がやるの!
「リオン……」
パティアちゃんが私のワンピースをきゅっと握りしめた。
「大丈夫。私を信じて。後でその上着、絶対に取りに行くから。信じて待ってて」
パティアちゃんは目の端に涙を溜めながら、「うん」と頷いた。私はパティアちゃんの頭を撫でて、走り出す。
「約束だよーーーっ!!」
遠くからパティアちゃんの声が聞こえた。うん、わかったよ。
約束。


