「僕はあの国が好きなんだ」
「だから、それは何故なのかと聞いている」
「……それには答えられない」
そう低く呟いて、リンくんは俯いてしまった。そんな風になる理由って何だろう。
例え忌み嫌われていても、国を想う理由。好きになれる理由。
私はちょっと無理かな。自分だけが不幸だなんて、そんな勘違いしちゃうかも。国なんて大っ嫌いになるだろうし。
「……?」
シアンとティスが、不思議そうに上を見上げた。どうしたんだろう。
「この嫌な匂い……。間違いなく火薬の匂いです。それに微かに悲鳴が聞こえます。国で何かが起こっているようです!!」
ティスは焦ったように立ち上がりながら報告した。
「カーザシアでっ!?そんな、早く行こう!」
私達はカーザシアへ駆け出した。リンくんなんかはもうすでにいないし。フェンリルさんも大分前を行ってる。
ぐずぐずしてられない。魔力の消費は激しいけど、この際そんなものに構ってられないっ。
「シアン、ティス!私は浮遊魔法で先に行ってるからっ」
「「わかりました!」」


