部屋に戻って朝食を食べ、フェンリルさん達と話をするべく森の中へ。今日は国から結構近い場所にいた。
「おはよう、フェンリルさん。えと、吸血鬼さんはいる?」
『あぁ……。帰ってきているぞ。もうじき来るだろう。しばし待て』
私達は、倒れている木の幹に腰をかける。相変わらず霧が濃くて、じめじめしていた。そのせいか、木の幹にはキノコが生えている。
「来たようです」
ティスがそう言うと同時に、木々がザワザワと音をたてて小さく揺れる。次の瞬間、髪がふわりとなびいた。
その柔らかな風と共に、フードを被った人物がフェンリルさんの傍に現れた。そして、フードを取る。
少し長めの金髪をうなじでくくった、綺麗な翡翠色の瞳の少年の顔が露になった。うん、色白。女の子みたい。
この薄暗い森の中で、彼の立っている所だけが明るく見えた。
「えと、貴方が吸血鬼さん?」
彼はコクリと頷いた。とても吸血鬼には見えない。


