進んで進んで遠ざかって近づいて、30分くらい迷いに迷ってやっとシアンを見つけた。シアンは庭園の沙羅の木に座っていた。
「シアン〜」
私は名前を呼びながら駆けていき、木の下まで来ると、浮遊魔法を使ってシアンの隣に腰を下ろした。
「……何ですか。こんな夜更けに」
「中々眠れなくて。だからシアンと話してようと思ったんだ」
「……そうですか」
私は月を見上げる。月はまだほんの少し欠けた状態で、完全な満月になるのは多分明日かな。
「ふふっ」
「……何笑ってるんです?」
「こうしてシアンと月を眺めるの、久しぶりだなぁって思って」
「まぁ、そうですね」
シアンの返事は素っ気ない。そこがシアンらしいと言えばそうなんだけど。


