私は何となく上を見ながら門をくぐった。その時に見た、怪しげな白いモノ。
あれは一体何だったんだろう?結構沢山連なってたけど。飾りなわけないだろうし、随分と小さなモノだった。
私は隣にいたシアンに聞いてみる。
「ね、シアン。門の外側に小さくて白いモノがあったけど、何かな」
シアンはチラリと私を横目で見て、また前を向いた。
「……。……アレは匂いや形からも、ニンニクでしょう。何故そんなものを飾っているのかはわかりませんが」
今の間は。今の間は一体何なんだ。まぁ、いいや。
「ニンニクから連想されるものと言ったら、吸血鬼だよね」
シアンはため息を吐き、不安げな目で私を見た。その顔が妙にむかつく。
「流石に信じてないからね?それより、あんまりため息吐いてると幸せなくなっちゃうよ」
そう言ったら、シアンは眉間に皺を寄せて、吐き捨てるように呟いた。


