私達は足を進める。見れば、結構沢山の人がカーザシアを目指して歩いていた。中には馬を連れて大荷物を運んでる人もいる。流石、商売盛んな国。
「思ったより人が一杯いるんだね〜」
素直にそう言ったら、シアンに盛大なため息を吐かれた。え、何?
「お嬢様……。貴女の耳は飾りですか?機能してないんじゃないですか」
「なっ!?し、失礼な!ちゃんと機能してるもん」
「馬車の中で話したでしょう。近々祭りが行われるんですよって」
えぇ〜……。そんな話し聞いてない。初耳だよ、初耳。
「まぁ、最初から聞いてないな、コイツとは思ってたんですけどね」
「だったらもっとしっかり話してくれたら良かったのに」
「後でお嬢様を苛める種になると思って、わざとです」
鬼畜だよ!ここに悪魔がいるよ、鬼だ、最低だ!
私が沈んでいると、いつの間にか門の前まで来ていた。近くで改めてその姿を見てみると、その巨大さに圧倒される。
門番も複数いて、皆甲冑を身に纏っていた。帯剣してる人や、槍を地面に突き刺して威圧感バシバシ出してる人など。


