「立派なお家だね!」
ルーシェさんの自宅は、大きかった。外装は可愛らしい感じ。煙突からは白い煙がゆらゆらと立ち上っていた。
私は深く息を吸って、玄関をノックした。
「御免下さーいっ」
少しすると、パタパタという足音がして、次第に近づいてきた。
「はぁ〜い」
玄関が開いて、隙間から可愛い少女が姿を現した。はわ〜っ、可愛い可愛い!
「ルーシェさんですか?」
少女は小さく首を傾げながら、「はい」と頷いた。
「えと、吸血鬼についてお話を伺いたいんですけれど……」
そう言った途端、ルーシェさんの顔が曇った。
「吸血鬼について、ですか……。えっと、それはどうして?」
「うーん、ちょっと尋ねたいことがありまして。言いたくなければ別にいいんです」
ルーシェさんは考え込むように小さな拳を口に添え、少ししてから首を横に振った。
「すみません、お話できません」
「そうですか……。わかりました、有り難うございました」
私はペコリと頭を下げた。扉が閉まると同時に、私達は背を向けて歩きだす。
収穫ナシ、か。
私のため息と、シアンのため息がかぶった。


