「……先に言っときますけど、私達は何も鼻だけで判断してるわけじゃないですよ」
「へ?うん、わかってるよ?何で今更?」
「あ、いえ、今のは独り言だと思って下さい」
……?変なティス。
森の中に入っていくらもしない内に、濃い霧が立ち込めた。視界がかなり悪い。
……迷子になったらどうしよう。えーと、その時は動かずに救助を待つんだよね。散々叱られたし、もう覚えた!
「……!
標的がこちらに来ます」
まじでか。まぁ、探す手間が省けてラッキーだよ。
ズシンズシンと、地響きが段々大きくなっていく。さぁて、話の通じる相手かな?
やがて、巨大な体躯をしたフェンリルが姿を現した。鋭い眼光がギロリと私達を見据える。
フェンリルは天を仰ぎ、ビリビリと大気が震える程の咆哮をした。あぅぅ、耳痛い……。
そしてもう一度私達を見、襲いかかってきた。先手必勝、てヤツですか?


