さて、時は流れて森の前。情報によると、フェンリルは無作為に森を徘徊してるそうだ。
これまで現れた場所には統一性がなく、他のモンスターとも争った形跡や情報がないことから、もしかしたら広範囲に渡った縄張りなんじゃと言われている。
うーん、フェンリルがそんなことできるかなぁ……。アレより高等なモンスターだって沢山いるだろうし。
その点がどうも気になるんだよねー。
もしかして根なし草なんじゃないかな。いやでも、果たして野生のモンスター、それもフェンリルにそれは有り得るのかな。
普通じゃまずないだろうけど……。あくまでも、普通なら。
……ま、考えても解決するものはないし、とりあえず会いに行こう。
そして、できたら話を聞かせてもらおう。
「シアン、ティス。標的の位置はわかる?」
この場合、探知魔法は使えない。件のフェンリルの気配がわからないことには、どうしようもないから。
「勿論ですよー。割りと近いですね。んーと……」
「正面から見てやや北西にズレた位置にいます。地図上だと真西。距離はざっと2キロですね」
流石シアン、鼻が利く。
「それじゃ、行くとしますか」


