「お?起こしちまったか?悪いな」
悪いだなんてちっとも思ってなさそうな口振り。
いや、そんなことはどうでもいい!何で、何でどうしてっ!
「何でカイルがここにいるの!?」
私はガバッと跳ね起きた。
「え?まぁ、一応兵士なわけだし。今日は城内勤務だからさ」
「そんなことを聞いてるんじゃないの」
「へーへー。たまたま通りがかっただけたよ。そしたら奴らいないし、ラッキーって」
何がラッキーなのかは全くわからないけど、目の前の真っ黒野郎が最低だというのはわかった。
と、その時。
閉じられていた扉が、静かに開いた。おそらく眠っているであろう私への配慮だろう。
現れたのはティスだった。
私達を見て一瞬動作を停止し、扉をバタン!と閉めると猛スピードでこっちに向かってきた。
そのまま私にタックル!私はその衝撃で倒れ、ティスは私に覆い被さるような形になった。
そしてティスは腕を立てて私に尋問してきた。
「お嬢様、何ですかこの真っ黒いのは!まっくろくろすけ願望者ですか!?大丈夫ですか、何もされてませんか!?」
「ティスの方が大丈夫!?頭のネジ外れてない!?」
「私は大丈夫でございまする!」
「いやいや、全然大丈夫じゃないじゃん。とにかく落ち着いて、ね?私は大丈夫だから」
「……ホントですか?」
「ホントホント。だからほら、降りよう?」
私がそう言った直後、再び扉が開いた。


