世界の4分の1を占める巨大陸の中央に位置する、カーザス地方。広大で霧の深い森、セフィア樹海のすぐ傍にある大国カーザシアでは、古くからある問題を抱えていた。
その問題があるため、国の周りは高い塀で囲まれ、門は機械仕掛けの鉄製扉。更にその門や塀には衝撃吸収の障壁魔法が張られている。
そのため、地上からは余程の軍勢でなければ攻め落とすのは容易ではない。
では何故、このカーザシアはこんなにも地上への厳重な警備をしているのだろう?戦争は勿論のこと、そう、それは……
「セフィア樹海は凶悪なモンスター達の巣窟と化してるんだよね?国は本当にすぐ傍にあるから、よく被害にあってたんだっけ。
ていうかね、その口調、変だよ」
賢くなったな、少女よ。私は嬉しくおもう。
「無視?無視なの?」
そう、凶悪なモンスターの被害にあっているためである。
それを除けば、他国との関係も良好、石造りの街で商いも盛ん。色々な物資も揃っていて品質も上々。
ただ1つ気がかりなのは、街の造りが複雑で迷いやすいことだ。
「……それは私が気がかりだってことだよね。言われなくったって、2人の傍にいるもん」
まずするべきこともわかっているね?
「うん。まずお城に行って、依頼の件について聞く。多分部屋は用意してくれるだろうから、まぁ、なかったら宿探し。
あとは必要な物の買い出し、できたら武器のメンテナンス。その他は依頼クリア後だね」
その通り。ではいざ、カーザシアへ!
「その前に一発殴らせてね」
……え……?


