船はまだ落下を続ける。……水、落ちてきてない。どうして?でも考えるのは後回し。



やがて地面が見え、船はようやく落下をとめた。落ちた人達はっ……?周りを見渡すけど、人影はない。



見えるのは、ひび割れた地面と枯れた木々の森ばかり。空は闇。月や星が見えるのは、どうしてだろう。




「お嬢様、お怪我は」




「私は大丈夫。それより、落ちちゃった皆を探さないと」




「皆っ!!各班で点呼とって!」




点呼が終わると、ルゥは行方不明の人物を挙げる。落ちたのは22人。




「じゃあ、留守番チームと探索チームに別れよう。各班別れて」




「私達は一緒に行くからね」




「うん、わかった。よし、別れたね。それじゃあ行くよっ」




私は暗黒世界へ降り立った。地面は乾いて、固い。ここが暗黒世界……、アンダーワールド。私は震える足に鞭打って、歩きだした。




船を見ると、さっきまで光っていた翠姫のバリアが消えている。




早く……。早く、皆を見つけだして、元の世界に帰ろう。