それに、ほら……。と、ルゥは女王に手を伸ばした。だけどその手は女王をすり抜け、床につく。



「……う、そ……」




女王もルゥに手を伸ばし、触ろうと試みるけど、実体のない精神体である彼女に、生きているルゥは触れない。



他の物に触れるのは、それが微力ながら霊力を宿しているから。普通の動物に、霊力はない。




「本当に……私は……死んでいるのね。あは……あはは、笑っちゃうわ。何て滑稽なのかしら」




「ねぇ、質問したいんだけど、あのグールは一体なんなの?」




「あぁ、あれ……?あれは私の可愛い合成獣……。キメラよ」




「キメラ?」




「えぇ。グールにゴーストモンスター、そして、霊力を自在にコントロールすることの出来る、稀有な存在……、霊獣のね」




「彼らを実験体にしたのか!?大体、キメラを造ること自体がすでに大罪なのに、それに更に罪を上乗せするなんて……」