―――ミウ―――



―――爆発前




真っ白なオーラに包まれた白刃を、ルゥは、未だ現実を受け入れることの出来ない女王に向けた。女王はビクッとしてルゥを見上げる。



ほんの少しの間の出来事だったのに、女王は酷くやつれていて、恐怖にガタガタ怯えている。



……少しだけ、可哀想だと思った。




「い、嫌、殺さないでぇっ」




ここまで生に執着するなんて、ある意味すごいと思う。そんな女王に、ルゥはため息を吐いた。




「さっきのあの子も言った通り、貴女はもう死んでるんだ。これは逆転することの出来ない事実なんだよ」




「じゃあ、じゃあ、私がいつ死んだって言うのよ!?」




「数ヶ月前に、船旅用の船が渦に巻き込まれて沈んだ。暗黒世界の入り口が開いたことによって起こる、巨大な渦に。



あれに飲まれて、生きて帰ることが不可能だなんてのは、この世ではもう絶対的な真理と化している」