「……ねぇ。邪魔するようで悪いけどさ、君は一体誰なの」




ルゥがいつもと違う、冷えた声で言い放った。僕は……、僕は、僕は……。




「……私の名前は、シオンです。ルゥさんでしたね。初めまして。えと、私はもう1人のリオン、とでも言いましょうか」




「もう1人のリィ?」




「……っ、その話は後だ。ルゥとミウは女王の相手をしてくれ。僕はあいつを閉じ込める!」




黒姫の切っ先をシオンに向けると、シオンは顔を綻ばせて笑う。もう嫌だ、もう嫌だっ、お嬢様のこんな姿は見たくない!




「……何かよくわかんないけど、任せた」




「……悪い」




シオンは楽しそうにくるくると回りだす。月夜の古城で1人舞う。そして僕を見、もう一度笑う。