「森には泉がある。妖精が住むと言われてる泉だ。家のすぐ傍だったから、歩いて数分で着くそうだ。そこに凶悪なモンスターは近寄らない。
見た目はただの人間だ。常にフードを被ってるらしいから、そんな奴を見かけたら注意しろよ」
「うん……。大体はわかったけど、何で言うかどうか迷ったの?」
「……被害にあったのは、その子だけだからな。目撃情報は度々入るんだが、被害にはあってない。だからだ」
ふむふむ。それじゃ相手に害があるかどうかわかんないな。でもまさか、実在するなんてね……。
「ところでお前ら、店ん中でも手ぇ繋いでんのかよ。どっからどう見てもただのバカップルだぞ」
「へ?うーん……。何ていうか、慣れたし気にしてない。ね、シアン」
「………そうですね」
ぼそっと1言だけ聞こえた。んむー、今回は長続きするなぁ。
「ま、いいや。ところでこの後ヒマか?」
「うん、ヒマ「じゃない」よー」
……ん?今私の「だ」が早口で消されなかったか?今の答えは質問に対しておかしいよ。
「そうか。じゃあオレとお茶しないか?」
普通にスルーして誘ったよこの人。まぁ、暇だし別にいいんだけどね。


