―――リオン―――
誰かが私を呼んでいる。知らない声が、私を呼んでいる。遠くから、強く強く……。
私は呼ばれている。行かなきゃいけない。なのに身体が動かない。
行かなきゃ……。
行かなきゃ……。
何処へ……?
……彼女の元へ……。
彼女って誰だろう。だけどこの、頭の中を強く支配する焦燥が疑問に勝って、あまり気にならない。
というよりも寧ろ、何処の誰かもわからないのに、相手の正体は初めから知っている。
……何だろう、これ。
わからない。だけど……。
"―――お嬢様―――"
……誰?
シアン……?
そこにいるの?近くにいるの?私はまだ、終わってないんだね?
私はまだ、世界を見ることが、知ることが、罪を償うことが、出来るんだね……?
目覚めなきゃ。シアンが生きているのに、私がここでくたばるわけにはいかないよね。
さぁ、目を開けて、世界を見よう。立ち止まらずに、歩き続けよう。
―――……。


