―――シアン―――
……何か、おかしい。城へ近付く度に、微弱ではあるが魔力が増幅していっている。
……翠姫の魔力か?それにしては、かなり大きい。それに、翠姫は大人しい筈。こんな風に魔力を放出したりしないだろう。
しかし、これは普通の魔力ではない。ほんの少しだが、霊力が交ざっている。ティス……、ではない。
なら、これは一体……。
「どうしたの?険しい顔してるけど」
「微かに霊力の交じった魔力を感じる。城に近付く毎に強くなっていくんだ。何かおかしい」
「うーん、そういうのは門外漢だからなぁ。まず魔力感じること出来ないし。うん、ごめん、力になれそうにないや」
「別に謝らなくていい」
「(……あれ、何か優しくなった?)」
「お前のことは、最初から当てになんかしてないからな」
「さよなら、僕の淡い期待」
「は?」
「ううん、何でもないよ」


