―――シアン―――
中々2人が来ないから様子を見に行ったら、部屋はものの見事にもぬけの殻になっていた。
床には血の魔法陣。これは確か、転移魔法用の陣だったな。
……つまりは、お嬢様とあいつはまんまと敵の罠にかかった、ということか。
僕はこめかみを押さえる。馬鹿じゃないのか。やっぱりあいつに行かせるんじゃなかった。これは僕の判断ミスだ。
まぁ、罠にかかったのがお嬢様1人じゃなかったのがせめてもの救いか。全く、手のかかる人達だ……。
こうなってしまっては、のんびりしてられない。ロザリアさんに関しては、海賊の奴ら幾人かに守備してもらおう。
そうと決まればルゥ達の所へ行って、これまでの経緯の説明と、これからの作戦を練らないといけない。
「ロザリアさん、少し失礼します」
「え?……きゃっ!?」
僕はロザリアさんを抱えると、家を出て港の方へ全力で走り出した。数分もしない内に船に辿り着く。
「……あれ、そこにいるのってシアン?」


