―――???―――
「ふぁ〜……」
ぼぅっと月を眺めてたら、段々夜が更けてきた。うーん、そろそろ寝ようかな。
明日も早いわけだし。何より、霧の国、ミスティナへ向けての出航なんだ。気合い入れないと。
「ふぁ〜……」
それにしても、もう随分長いことリィに会ってないなぁ。会いたいなぁ。元気にしてるかな。
でもなんとなく、近い内に会える気がする。この勘が的中すればいいのに。
「ルゥ……?」
誰かが僕の名前を呼んだ。
「あ、ミウ。まだ起きてたの?駄目だよ、女の子は早く寝ないと」
軽く注意すると、ミウはくすっと笑う。
「……大丈夫。ルゥは、何してたの?」
「月を眺めてたんだ。今日は綺麗だよ。そういえばミウは、まだリィに会ったことないよね」
ミウは首を傾げる。右肩から、ゆるくウェーブのかかった綺麗な淡い桜色の長い髪が、さらさらと零れ落ちた。
「リィはね、とっても可愛いんだ。可愛すぎる程可愛すぎるっ」
すると、何故かミウは少し複雑そうな顔をした。きっと混乱してるんだろうな。
「何かね、近い内に会えそうな気がするんだよ」
「……会ってみたい」
「うんっ。ふぁ〜……。さて、もう寝よう?」
ミウは頷いて、僕達は甲板からそれぞれ寝室へ向かった。
そしてこの予感は、的中することになる。