「それと、この手紙を私の姉に届けてほしいんです」




私は一枚の手紙を預かる。お姉さん?あれ、お姉さんなんていたの?私が首を傾げてると、ルーシェさんはクスクス笑った。




「と言っても、実の姉ではないんです。昔知り合って、何だか姉のような存在なので」




「あ、そうなんですか」




「ところで、何故僕達に預けるんだ?配達人に頼めばいいだろう」




シアンがもっともなことを指摘すると、ルーシェさんは哀しそうにため息を吐いた。




「それが、姉は霧の国……、ミスティナに住んでいるんです」




霧の国、ミスティナ。別名『亡霊の国』とも呼ばれるその国は、名前の通り霧の日が多く、更に今は荒廃している。




街は風化し、木々は枯れ、終いには幽霊が出るとも言われている国。




「なので、怖がって誰も配達してくれないんです」




それは納得。だけど、仕事する人間として、その心構えはどうなのかなぁ。そんなんじゃ、信頼失くすよ?