「何!?」


「なんか、感覚が変だな…」


「あぁ、ふわふわするし映像も古いというか、もやがかかっているというか…」



以前、十六夜からこの花の説明をうけていたため慌てはしなかった琉威たちが少しじっとしていると――




「あっ、十六夜さんだっ」



向こうから白銀の長髪、着流し、白い襟巻き、雪駄を履いている者がゆっくり歩いてきた。大樹の近くまで来ると突然童が現れた


「あ、あれは!」


「宵美、だな。てことは…」


「え?」



小さい宵美に合わせて屈んで微笑んでいる十六夜。頭を撫でたり手を握ったりして話しているがこの雪。童がこんな寒く薄手の着物一枚だ。十六夜は自らの羽織を肩にかけてやり、白い襟巻きを巻いてやった。懐紙を取り出して宵美に渡す



中を見た宵美は嬉しそうにそれを受け取った。中身は金平糖でいろとりどりの金平糖を全て食べた宵美