「お、終わったのか」


「えぇ」



十六夜は跡形残らず刹那が散っていった場所をじっと見つめていた。




十年以上続いた戦いがやっと終わった




疲労と同時に襲ったのはやりきれなさ…こうするしか無いと分かっていたがいざ相手が死んでしまうと感じるものもある



はぁ、と溜め息を吐いて空を見上げると



「十六夜様ぁぁ」


「やったぁぁ、ほんものだぁ」


「会いたかったぁ!」


あっという間に十六夜は百鬼に取り囲まれた



先に抱き着く予定だった天堂は地団駄を踏んでいる








「おい、皆。先ずは総大将だ」



気持ちを察したかのように翔炎が止める



翔炎に泣きながら礼を告げて十六夜と向き直る



「十六夜...」


「あなた...久しぶりです」



切なそうに笑う十六夜はお世辞抜きに本当に綺麗だと思う



十年以上見ていないだけあって



ますます色気が出たんじゃねぇか?と…