─────その時。 「陽太?帰ってきたのか」 曲がり角で、黙ってこっちを見ていた。 タタッと走ってきて、俺に抱きついた。 「奏、姉ちゃん…姉ちゃんが…」 「は!?」 「死んじゃった…」 「お前何言って…」 「そこにいるの……、姉ちゃん、死んじゃった…」 そんなはず… そんなはず、あるわけ… 「……っ… 夏帆!?夏帆…!」 道路の隅に、ぐったりと倒れていた。