このオルゴールで十分だよ。


一人の病室は寂しいけど、この音を聴いていれば、寂しくなんかなんない。


そんな気がする。



「いい天気だねーっ」


「そんな叫んで大丈夫か?」


「多分ー!」



心地いい日射し。


フワフワした芝生。


「おい夏帆…」

「奏くんといれるんだったら、入院も悪くないかもー!」


知らない間にあたしはこんなことを言っていた。


「…は?」


「え?だから、奏くんといれるんだった…ら…、あ…」