髪の色が変わっても、 表情の優しさは全然変わらない…。 大好きな、 奏くん…!! ちゃんと、 ここにいることを示すように… 抱き合った。 あたし…言わなきゃ。 「奏くん…あたし…――――」 言いかけた口に、 奏くんの…唇が…… ……そっと触れた。 奏くん… 奏くん… 奏くん…! 「…俺、決めたんだ。 医者になりたい。 今からじゃ、もうおそいかもしれないけど、 黙って夏帆の側にいるほうが辛かった。俺にできることなんて、ない。 だから…」