彼とは約2ヶ月振りのデート。

いつも何かと忙しい私達は、つい約束の時間には遅れがち。

というか、いつも時間に間に合わなくて、どちらともなく焦ってる。

だから、今日はちょっといつもより余裕を持って家を出て、待ち合わせ場所の日比谷公園に早めに着く事が出来た。



晴れ渡る青い空に白い雲。眩しい初夏の太陽…私の1番好きな季節。


ちょっと陽の光が強いけど、雨の心配なんて無い、まさにデート日和かも。なんておもいながら、老若男女、様々な人が行き交うこの広い公園を歩く。


きっと、まだ彼は来てないと思うから、手で日差しを遮るように顔の前に影を作って、何処か少しでも陽を避けられるような所で待とうと、視線を巡らすと、ある場所で目線と足が止まった。


少し離れた場所に並んだベンチ。

1つのベンチには会話こそ聞こえないけど、明らかにイチャイチャしてるカップル。


そして、その隣には…所在なさげに座る2ヶ月ぶりに見る彼の姿。

そんな姿に思わずクスッと笑っちゃったけど、何故か思い出したのは彼と付き合い始めたばかりの時の事。


今でこそ、客観的にあのカップルの事を見られるけど、あの頃は私達も周りなんて見えて無くて、それこそ気分は世界に2人だけ。

きっと、周りには相当迷惑をかけてたかもしれない。


そんな考えを巡らせながら、再び彼に目線を移すと、彼がクスッと笑ったのが分かった。

あ、もしかして同じ事考えてたのかな?なんて勝手に思っちゃって、ちょっと嬉しくなる。


いつの間にか日々の忙しさに追われて、会うのも2ヶ月ぶりになっちゃったけど、彼の姿を見るとやっぱり安心する。


約束の時間まではあと五分。

だけど、一刻も早くあなたの側に行きたくて私は走る。

あなたを見ただけで高鳴る気持ち。

会わなかった2ヶ月は長かったけど、きっとあなたの胸に飛び込めばきっとすぐにそんな隙間は埋まるはず。

だから…ちゃんと受け止めてね?

隣のカップルに見せつけ返してあげるから。