ワケあり!

「おはようございます」

 Tシャツに、学校のジャージで絹は、アキに挨拶をした。

 彼女の方は、もっと早く起き出していたようで、身体をほぐしている。

「おはようございます、時間通りですね」

 にこりと。

 動きを止めて、アキは大きく息を吐き出すように応えてくれる。

「失礼して、身体を少し見せていただきますね」

 アキが近づいてきて、絹の手首を取った。

 そのまま、ずーっと上に引き上げられる。

「痛かったら言ってください」

 その腕を、更にゆっくりと後ろの方に反らす。

「やわらかいですね」

 引き続き、二の腕、背中、脚――脱がされはしなかったが、透視するかのように確認される。

「スポーツをやっていた身体ですね。よく締まってます」

 絹から何も聞かず、アキは自分を納得させるよう呟いた。

 正確には、スポーツとは違うが、絹は否定しない。

「身体をほぐしたら、軽く組みましょうか…その方が、良さそうです」

 どうやら。

 アキの視点から、彼女の身体は合格点だったらしい。

 お嬢様相手というよりは、きっちり相手をしてくれる気持ちに切り替わったのか。