「ご丁寧に、ありがとうございます」

 見た目もしゃべりも行動も、この学校には珍しいタイプだ。

 絹は、とりあえず助言にお礼だけ言った。

「あいた…ごめんな、場所悪かったわ」

 そんな姉さんが、顔をしかめながら、おもむろに拝むポーズ。

 いやな気配がして、絹は振り返った。

 気の強そうな美女五人。

 宮野グループと違って、全員肝の座った顔をしている。

 ははーん。

 これが、渡部の刺客か。