「音色、ごめんね」 そう言ってあたしに背を向けて歩きだしたお母さん。 「お母さん!やだ!あたしお母さんとこに行く!」 「音色、お願い、言う事を聞いて?いつか必ず迎えに来るから」 あぁ、またこの夢だ。 最近あたしはこの夢ばっか見る。 でも、これは今は夢で、2年前の事実。お母さんとお父さんは離婚した。 お父さんは、酒癖が悪くて、いつもあたし達に暴力ばっか振る。 そんな最低なお父さんとあたしは、二人暮し中。