その途中、ふと足を止めた。
「なぁ源さん」
「なんだー?」
「何これ」
掌より小さいそれを、指で摘んで源さんに見せる。
「あー、ブローチだよ。可愛いだろ」
んなかっこいいけど厳ついおっさんが『可愛い』とか言うなよ。
「いつも言うけど、源さんとこの店あってねーよ」
「うるせーよ」
言うだけ言って、手にあるブローチを棚に戻す。
無意識に手に持ち、視界に入る、二つのブローチ。
『太陽みたいだよね!』
『ひまわりみたいになりたいんだぁ』
無邪気に笑う、幼なじみ。
「ちっ」
「どうした」
「いや…、なんでもない」
自然に出てしまった、小さい舌打ちはバッチリ聞こえたらしい。


