手の平も指の先までも熱くなっていて、比例するかのように体温がどんどん上昇していく。

少し俯きがちになりながら、髪の毛でうまく顔を隠そうとする。

だけど、それはまったくと言っていいほど意味をなしていなくて、



「もしかして、ハル君のこと気になってるの?」



ドクンッと激しく心臓が動く。

優美に確信を突かれた。

そう思わずにはいられないほど、私の体がいつもとは違う。

戸惑いを隠し切れないぐらい焦っている。



「そっかそっか〜」 



何も返事をしていないのに、優美は一人で納得して笑いだす。

何だかさっきとは別の意味で顔向け出来なくなっていた。


ハル君のこと気になってはいるけど。

もう一度会ってみたいとは思うけど。

それは、ハル君の言動に興味が湧いたからだし。

ハル君の言葉の意味が気になっているからだし。



「ちっ、違うし!!」

「はいはい、照れない照れない」



ようやく否定の言葉を向けても、まったく聞く耳を持たずに軽くあしらわれる。

優美は携帯を開いて画面を確認した後、私とは正反対に落ち着いた様子で微笑んでこう言った。



「私も紗夜香の気持ち分からなくもないしさ?」