「だって、本当のことを言って何が悪いの?」
「はぁ?」
「彼女、颯平のこと本気で好きだとは思えない!! そう言った私に反論さえしなかったんだよ? それって認めてるってことじゃない!!」
「何、言い出すのよあなた。ねぇ……紗夜香?」
振り返った優美はその言葉に反論しない私を見て、瞬きさえ忘れてその大きな目を見開いて、本当なの?と問いかけてくる。
それに、イエスともノーとも答えることができなくて黙り込む。
「あなた、他に気になっている人……、好きな人がいるんじゃないの?」
核心をつかれた問いに唇をギュッとかみしめる。
もしここで違うって言ったって、嘘にしか聞こえないだろう。
それに、私自身が嘘をつけなくなっていた。
ハル君が好きだって、心と体が叫んでいる。
「まさか、ハル、君?」
思わず言葉を漏らした優美は、ハッとして口元を押さえた。
それが、更にマネージャーの疑問を確信へと変えていく。
「やっぱり……」
もう、ダメ。
颯平にも知られた。
颯平と頑張ろうって決めたのに、私は傷つけることしかできない。
「あなたも何か言ったらどうなの? 颯平のこと何だと思ってるのよ!!」
「……ろ」


