その後も随分と歩き回った。
さすがに疲れた私たちは、目に止まった公園へと足を踏み入れる。
そう、思い出の詰まった公園に。
「あれ? ねっ、あれってもしかして……」
ブランコに腰掛けてユラユラと揺れていると肩を叩かれて、優美の指差すほうへと視線を向ける。
地に足をつけて立ち上がり、
「マネージャー……」
「えっ? 紗夜香知ってるの?」
呟いた言葉に優美も立ち上がり、耳元に小声で話しかけてきた。
公園の入り口の前の道を、並んで歩く二つの影。
「えっ、ちょっと」
「シーッ!! 颯平に気付かれるでしょ!!」
急に手を取られて引っ張られ、そのまま近くの茂みに連れていかれた。
近くに外灯のないこの場所は、この夜の闇の中では、意識して凝視しないと見つけられない。
そんな場所に身を潜める。
「ねぇ、どういうこと?」
「彼女は、颯平のサッカー部のマネージャーだよ」
昨日の今日で、二人の姿を目撃するなんて思ってもいなかった。
ふーんと相づちを打った優美は、そんな二人の姿をジッと眺めている。
「ねぇ、何で隠れたの?」
ヒソヒソと話を続けているうちにも、二人は公園の中に入ってきてだんだんと近づき、
「何か怪しいなーって直感。まさか、浮気……って颯平に限って、それはないだろうけど」
ブランコの隣にあるベンチに腰をかけた。


