中学の時は何でも言い合えた。

颯平と付き合いだしてからも、よく数人のグループで遊びに行っていて、颯平も優美も、みんなが仲良かった。

それは、この前会った時だって実感していたし。

高校に行って離れ離れになっても、こうして会うとあの頃のままの関係で居心地がいいって、そう思っていた。



「そっか。ま、紗夜香がそう言うなら私の気のせいだね。ごめんね」

「いや、別に優美が謝ることないし」



だけど違ったのかな。

離れたことで、知らないことが増えていく。

そして、言えなくなることも増えていく。

それって本当に友達って言えるのだろうか。


足早に先を歩く優美の後ろ姿を捉えながら、俯き加減に歩いていく。

滲み出た汗を軽く拭い、夜風になびいた髪を耳にかける。



「ってかさ、紗夜香が携帯持ってたら連絡もとりやすいんだけどね。メールだってできるしなー」

「あっ」

「何かさ、高校で仲いい子はできたけど、やっぱり中学の時の友達のほうが一緒にいて気が楽だし、安心できるんだよね」



言いかけた言葉は、優美の言葉に遮られた。


携帯を買ったことさえ伝えていなかった。

それに気付いた時、顔を上げて優美の顔を見た。

けれど、今更という後ろめたさからか、タイミングを逃してしまったからか、携帯のことを伝えられず。

私は……バッグの肩紐をギュッと握り締めていた。