「お待たせ!」
しばらくして村上さんが帰って来た。
「はい、これ」
村上さんが差し出したもの。
それは切符だった。
「これ……」
なかなか受け取らない私に再び“はい”と切符を差し出す。
「俺、優月ちゃんと、もう少し一緒にいたいって思ったから……」
「村上さん……」
「だから、はい」
私は何も言わず切符を受け取る。
「行こう?」
村上さんは明るくそう言うと、私の手をギュッと握った。
村上さんの温かい手が私の手に伝わる。
村上さんに手を引かれるように改札を通り、ホームへと行った。
そこにちょうど電車が来て、それに乗る。
座席に並んで座った。
村上さんは私の手をギュッと握ったまま。
手を握られているから、並んで座った私と村上さんの距離はさっきよりも近くて、心臓が爆発しそうなぐらいドキドキしていた。



