「体調が悪いので帰ります」
私はそう言ってカバンを持った。
「いや、ちょ、神崎?」
担任が困った顔をしている。
そりゃ、そうでしょ。
朝、元気に学校に来てたのに、急に体調が悪くなるなんておかしいもんね。
「帰ります」
私はもう1度、そう言って教室のドアのところまで行った。
「いや、待て!神崎!」
止めようとする担任の声なんて耳に届いてなかった。
私をジロジロ見るクラスメイトたち。
あずの顔が目に入った。
あずと目が合う。
あずは少しだけ笑顔で“うんうん”って頷いてる。
私も、あずに少しだけ笑顔を見せると担任の止める声を振り切るように教室を出た。



