―――――――……


「千里~!ち、さ、と!!千里千里千里っ」

「…………一度呼べばわかる」

「まじか」


てへっと首を傾げたのは、確かに見た目は可愛いがれっきとした男の聖だ。


「で、何か用か」

「え、用なくちゃダメ?」


それに俺ははあっと溜息をつく。
その姿を見て、聖はぷくっと頬を膨らませた。

……子供か。それか、まじで女か。
聖の反応はまさにそうだ。

それに甘い物が大好きときたから、本当に女ではないだろうかと少し疑ってる俺がいる。


「なあ、今日吏紀と千里の部屋行っていい?」

「…俺、今日予定ある」

「じゃあ、待ってるよ。部屋で」

「…………」


また俺は大きく溜息をついた。
それからゆっくりと口角を上げた。


「わかった」

聖には敵わない。
そして、聖に鍵を渡す。


「よっしゃ~。何飲む?」

「…いらねえんだけど」

「何でっ!飲まないとか!何で!」

「酒強くないし」

「ええ!千里、すっげージントニック飲んでそうなのに」


…ジントニック限定か。
カクテルでいいじゃねえか。